紫陽花が泣く頃に



結局、私も放課後に残ることにした。カチ、カチとホチキスを留める音が教室に響く。他のクラスメートはすでに帰ってしまったので、小暮とふたりきりだ。

「あれから菅野に絡まれたりしてない?」

「たまに、小暮とどこまでいってんのって気持ち悪い質問をされるだけで、他はなんにもされてないよ」

「管野って多分、柴田のことが好きなんだよ」

「ま、まさか。ありえないでしょ」

「俺にはしつこいくらい柴田のこと本当に好きなのかよって聞いてくるよ」

「じゃあ、あんなに私に突っかかってきたのはなんだったわけ?」

「好きな人のことをいじめることが管野の愛情表現なんだろ」

そんなのおかしいと返すと、男にはそういう部分があるんだよと、冷静に言われた。

でも小暮は男でもそんなことはしない。美憂のことをどれだけ大切にしていたか、私はよく知っている。