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同じだと思った。
さ迷うような不安定さも、感情に押し潰されそうな顔も、柴田は俺と同じ瞳をしている。
「あ、彼氏がきたよ!」
次の日学校に行くと、クラスメートに指をさされた。その中心には菅野がいて、ああだこうだと俺と柴田のことをみんなに説明している。
なんで管野はこんなにも、柴田に執着してるんだ? まさか本当は好きだったりして? だとしたら、あまりに幼稚すぎるだろ。
席に着くと、すでに柴田の姿があった。一足先に噂の的にさせられている彼女はうんざりいう顔で、耳にイヤホンを装着していた。
――『……美憂は私の双子の姉だよ』
柴田と美憂になにか関係があることはわかっていた。それで、妹なのだろうということも。
名字が違うという点において疑問はあるけれど、柴田を美憂の妹だと認めてしまったほうが辻褄が合うことが多い。
「おはよう」
柴田と目が合ったので、一応挨拶をした。どうせ聞こえてないし無視されると思っていたのに、柴田は片方のイヤホンを外して「……うん、おはよ」と返してくれた。
「悪かったな、注目されることになっちゃって」
柴田の言うとおり、管野の挑発に乗らずに『俺たちはなにもない』と断言すべきだった。でもあいつらがただのイタズラじゃ済まないことを柴田にしてて、頭に血がのぼった。許せることじゃなかった。
「私が巻き込んだんだから、小暮が謝るのは違うでしょ」
「うん。でもごめん」
「いいよ。噂なんてほっとけば」
「そうだな。あとお節介かもしれないけど、家の鍵は変えたほうがいいと思う。返ってきたとはいえ、管野のことだから合鍵とか作られてたら怖いだろ」
「……合鍵って、そんなにすぐ作れるものなの?」
「知識さえあれば粘土とかで型どって作れなくはないよ。なんか管野ならやりそうじゃん」
「うん。やりそう。あんまり大事にしたくなかったけど、今日お父さんに相談してみるよ」
「そのほうがいい」
管野はチラチラと俺たちのほうを見ていた。なにを話しているのか気になってるんだろう。



