「和香ちゃん、これどうぞ」
美憂がおもむろに、なにかを差し出してきた。
「なに?」
「開けてみて」
なんだろうと思いながら、ラッピングされたリボンをほどいて包装紙を開けた。そこには青色のシャーペンが入っていた。キラキラしてると思ったらビーズ入りのチャームも付いている。
「和香ちゃん、誕生日おめでとう!」
美憂から言われて、ハッとした。……誕生日、そっか。今日だった。
「これって、私のプレゼント?」
「うん、もちろん!」
「ごめん。私なんにも用意してないよ」
当然、美憂の誕生日も今日だ。なのにすっかり頭から抜け落ちていた。
「私が和香ちゃんのお祝いしたかっただけなんだからいいんだよ」
「ありがとう。大事に使うね」
「うん!」
シャーペンを傾けると、球体の中に入っているビーズも一緒に動いた。
ざあ、ざあ、ざあ。
「……海みたい」
自然とそんな感想が漏れ出ていた。すると、なぜか美憂が「ぷっ」と吹き出した。
「やだ。同じこと言ってる」
「誰と?」
「プレゼント選びを手伝ってくれた友達と」
*
――『なんで、このシャーペンを柴田が持ってんの?』
アイツから問われた瞬間に、私はすべてのことを察した。まさか、美憂とプレゼント選びをしてくれた友達が小暮だったなんて、知らなかったのだ。
たぶん、美憂との関係がバレた。それ以前にも勘づかれてる節はあったけど、なんとか誤魔化してきた。でも今回ばかりは無理だ。
明日の学校、どうしよう。
小暮になんて言われるのか、どんなことを聞かれるのか、考えただけで憂鬱だった。



