紫陽花が泣く頃に



それから柴田和香としての生活が始まり、美憂とは別々の中学校に入学した。

「え、和香ちゃん、洗濯できるようになったの!?」

梅雨入りが発表された六月。美憂は今日もうちに遊びにきていた。なにをするわけでもなく、テレビを見たり本を読んだり、こうして私がしてることに驚いたりしてる。

「お父さんが仕事でいない日のほうが多いから、私がやるしかないんだよ」

最初は面倒くさいと思っていたけれど、今では日常で行う作業の一部になってきた。お父さんも家にいる時には手伝ってくれるから、大変だけど苦ではない。

「そういえばこの前の返事はどうしたの?」

最後のタオルを室内干しハンガーに吊るしたところで、先日告白してきたという男子について聞いてみた。ちなみに美憂はすでに五人の男に呼び出されている。

「もちろん断ったよ。相手のこともよく知らないし」

中学生になった美憂は、ますます可愛くなった。紺色のセーラー服と肩まで伸びた髪の毛も相まって、大人っぽさも引き立っている。