安心したように、みんなぞろぞろと廊下に出ていく。一方の柴田は外れた胸当てのボタンを冷静に留め直していた。
「あんまり菅野のことを煽るなよ」
俺は柴田に釘を刺した。菅野はたしかに威勢がいいだけかもしれない。だけどいくら強気の柴田でも、菅野が男の力を使ってきたら勝てるはずがないんだ。
「煽るもなにも私は本当のことを言っただけだし」
「それでも菅野のことを刺激しすぎないほうがいい。なにかあってからじゃ遅いんだから」
柴田は黙って聞いていたけれど、頑なに首を縦には振らなかった。
どうしてこんなにも虚勢を張るのか。柴田は少し、わからず屋すぎる。それで俺にはちっとも関係ないことなのに、そんな柴田に対して苛立ちが込み上げてきた。
……口を挟むなんて、自分らしくない。



