「……っ」
今まで止まっていた涙が、一気にあふれてくる。俺と同じように柴田も美憂の手紙を読みながら泣いていた。
その内容はわからないけれど、きっと美憂からの愛がたくさん詰まっていたのだろう。
美憂は、俺たちの天使だった。そしてこれからも、明るい場所へと導いてくれる存在だ。
「私の手紙には、小暮のことばっかり書いてあったよ」
「俺の手紙には柴田のことばかり書いてあった」
「美憂らしいね」
「美憂らしいな」
泣きながら、俺たちは笑った。
――水飴症候群。本当の言い伝えはこうだった。
〝大昔に、ちっとも雨が降らない大干ばつがありました。食料不足でみんな途方に暮れているところにひとりの女の子が神様に自分の身を捧げる代わりに雨を降らそうとしました。
女の子の死後に雨が降りました。神様は女の子の願いを叶えたのです。そして残された恋人や妹は、愛する人が降らせた雨を見上げながら、女の子のことを忘れずに生きていこうと決めたのです〟



