紫陽花が泣く頃に




死ぬかもしれないと思った時、頭に思い浮かんだのは、やっぱり美憂のことだった。

素直に、ごめんねって言えばよかった。

美憂と双子になりたくなかったなんて嘘だよ。自分の汚さを美憂の綺麗さと比較してしまっただけ。

嫉妬じゃなく、妬みでもなく、ただ美憂に憧れていると言えばよかった。

どうしたらそんなに可愛くなれる?

どうしたらそんなに明るくなれる?

どうしたら、そんな風に人に愛されるようになれる?
 
拒絶するんじゃなくて、聞けばよかった。

どうして私は胸を張って美憂と双子だと言えなかったんだろう。

ごめんね。美憂。ごめんなさい。でもいくら謝っても、美憂には届かないでしょう?

会いたいと願っても、もう会えないでしょう?

――『和香ちゃん』

どこかで、美憂の声が聞こえた気がした。

私の幻聴かもしれないし、自分に都合のいい夢を見ているだけかもしれない。

それでも美憂は、私に言ってくれたのだ。

『和香ちゃん、大好き』

今なら言える。

私も美憂が大好き。

大好きだったよ。