冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す

不安そうに見上げる香世を安心させるように
フッと笑って頬を撫でる。

「何も考えず俺の事だけ考えていろ。」
そう言って啄むように口付けをする。

唇を割って入って来た舌が口内を掻き回し、
香世はお腹の下辺りがキュッとなるのを感じて戸惑う。

どうしてもギュッと力が入ってしまう体を
正臣は香世の髪を撫で、耳たぶを甘噛みする。
「ひゃっ。」
と香世は小さく驚き正臣に抱きつく。

「大丈夫だから力抜いて。」
張り付く香世を宥めるように抱きしめ、ぐるんと自分が下になるように体を回転させ香世を抱きしめる。

しばらく優しく背中を撫ぜて浴衣の帯を解く。
香世は、あっと思って肌けた襟元の合わせを抑える。

そこからまたぐるんと香世が下になり組み敷かれる。

それからは、
口付けが体のありとあらゆる場所に降り注ぎ
香世は翻弄されるがままに身を委ねる。

正臣の指が香世自身も触れた事の無いような場所を優しく触れる。

「……あ…っん……。」

体が勝手に反応してしまうから、香世は怖くなってまた正臣に抱き付く。

その度に大丈夫だと香世を安心させるように
微笑み、
「香世…愛してる。」
と何度も呪文のように耳元で繰り返す。

その後はもう無我夢中で……


正臣から与えられる快楽だけに心を捉えられ、痛いのか気持ち良いのか、もう分からないくらい頭がクラクラして、正臣の事しか考えられ無くなる。

気付いた時には正臣の腕の中で抱きしめられて眠っていた。