明け方、まだ辺りは薄暗い頃ふと目が覚めて
隣を見ると、スースーと可愛い寝息を立てて
香世が寝ていた。

流石に手は離れていたが、なぜか同じ布団の中…

夜中に寝ぼけて入って来たのだろうか…

これは不可抗力だし、耐え忍んだ褒美だろうと解釈してそっと引き寄せ抱きしめる。

香世は身動きするが目は覚めず、
しばし寝顔を堪能する。

口付けの一つくらい許されるか…?

欲望のままその先を求めて自分を止められる自信は無い。

葛藤する事、数分…

香世が瞼を揺らしながらぼんやりと目を開ける。
焦点が合う事、数秒…

「……っ!!」
香世は目を見開き驚くき瞬きを繰り返す。

思わず可愛過ぎて笑いそうになるのを抑え、

「おはよう。」
と、挨拶をする。

「お、おはよう、ございます…」
と、挨拶を返してくれるが、
何故こうなったの分からないと言う顔をする。

「香世が勝手に入って来たんだ。
俺は何もしてないからな。」
名誉を守る為そう告げる。

「ご、ごめんなさい。雷は小さい頃から苦手で……。」
俺の腕の中から逃げようとする。