私は涙を拭き、正臣様を煽り見る。
「香世は、俺が軍人を辞めるのは嫌か?」
「私は…正臣様がそうしたいと思うのなら、応援したいと思います。」
正臣様の人生だからやりたいようにいきて欲しいと思う。
軍人じゃなくなっても彼は変わらないと思うし、彼が抱えている重荷が少しでも降りるのならそれも良いのかも知れない。
「何か他にやりたい事があるのですか?」
「そうだな。
今まで引かれたレールに何となく逆らう事無く乗っていたが、いささか窮屈で重たく感じるようになった。
香世がついて来てくれるなら、
これからは自由に生きるのも良いなと思っている。」
フッと笑うと私の頭を撫ぜて安心させる。
「この先何があっても香世を手放す事は無いから心配するな。」
もう一度ぎゅっと抱きしめられて心の底から安堵した。
その後、タマキさんが作ってくれたおにぎりを2人で食べて元気が出た。
正臣は病室から仕事に出かけて行った。



