プディングは甘くて、とっても美味しくて
涙がポロポロと溢れ出る。
ヒックヒックと啜り泣きながら子供みたいに
プディングを頬張る。
その時突然、
トントントントン
と控えめにノックが聞こえ、
ガラガラガラ
と病室の扉が開く。
えっ⁉︎とそちらに目を向けると、
えっ⁉︎と入って来た人物も目を見張る。
それは、正臣様だった。
まだ朝早い時間帯に、どうしてここに?
驚きで涙も止まる。
カツカツカツと革靴を鳴らし、
軍服姿の正臣様が大股で近づいて来る。
「何故…泣いているのだ?」
怪訝な顔で心配そうに覗いてくる。
「あ…、あの、プディングをありがとうございます。」
慌てて私は涙を拭いて正臣様に頭を下げる。
正臣様はベッドに座ったかと思うと、
私を抱き寄せ腕の中に閉じ込める。
思わず、食べていたさじを落としそうになる。
暖かな温もりに包まれて、背中を優しく撫ぜられる。
「何故泣いている?」
再び問われて答えに戸惑う。
「あの…
プディングがあまりにも美味しくて…。」
言葉が見つからず、咄嗟にそんな事を言ってしまう。
「来て見て良かった。
香世を1人で泣かせるところだった。」
ふぅーと息を吐き、
私の頬に流れ出た涙を拭いてくれる。
「起きた時に誰も居なかったから寂しくて泣いたのか?」
どうしても涙の訳を知りたいらしい正臣様が
探るかのように聞いてくるから困ってしまう。
離れるべきなのではと思案していたなんて、
当の本人を目の当たりにして言える訳が無い。
私は首をかすかに横に振る。
「じゃあ…家に早く帰りたいのか?」
まるで事情聴取をするように追求の手は緩めてくれない。
「何でもないは無しだ。
香世の答えを貰うまでは仕事に行かないぞ。」
脅しのような言い方をされて、困って顔を見上げる。
正臣様の心配そうな瞳を見つめる。
堪忍して口を開く。
「お父様に…認めてもらえなければ…
私は正臣様から離れるべきではないかと、考えてました…。」
自白した途端、また涙がポロポロ出て来てしまう。
「涙が出ると言う事は…離れたく無いと思ってくれているのだな。
良かった…。
あの人の事は心配するな。
俺が何とかするから、大丈夫だ。」
力強くそう言われて、こくんと頷くしか無い。
「だてに、長く親子をしている訳じゃ無い。
捻くれてて分かり辛い面倒な人なんだ。
俺もそうだがな。
捻くれ者同士分かり合える事もある。」
そう言って笑う正臣様はにこやかに見えるから、既に打開策はあるようだ。
涙がポロポロと溢れ出る。
ヒックヒックと啜り泣きながら子供みたいに
プディングを頬張る。
その時突然、
トントントントン
と控えめにノックが聞こえ、
ガラガラガラ
と病室の扉が開く。
えっ⁉︎とそちらに目を向けると、
えっ⁉︎と入って来た人物も目を見張る。
それは、正臣様だった。
まだ朝早い時間帯に、どうしてここに?
驚きで涙も止まる。
カツカツカツと革靴を鳴らし、
軍服姿の正臣様が大股で近づいて来る。
「何故…泣いているのだ?」
怪訝な顔で心配そうに覗いてくる。
「あ…、あの、プディングをありがとうございます。」
慌てて私は涙を拭いて正臣様に頭を下げる。
正臣様はベッドに座ったかと思うと、
私を抱き寄せ腕の中に閉じ込める。
思わず、食べていたさじを落としそうになる。
暖かな温もりに包まれて、背中を優しく撫ぜられる。
「何故泣いている?」
再び問われて答えに戸惑う。
「あの…
プディングがあまりにも美味しくて…。」
言葉が見つからず、咄嗟にそんな事を言ってしまう。
「来て見て良かった。
香世を1人で泣かせるところだった。」
ふぅーと息を吐き、
私の頬に流れ出た涙を拭いてくれる。
「起きた時に誰も居なかったから寂しくて泣いたのか?」
どうしても涙の訳を知りたいらしい正臣様が
探るかのように聞いてくるから困ってしまう。
離れるべきなのではと思案していたなんて、
当の本人を目の当たりにして言える訳が無い。
私は首をかすかに横に振る。
「じゃあ…家に早く帰りたいのか?」
まるで事情聴取をするように追求の手は緩めてくれない。
「何でもないは無しだ。
香世の答えを貰うまでは仕事に行かないぞ。」
脅しのような言い方をされて、困って顔を見上げる。
正臣様の心配そうな瞳を見つめる。
堪忍して口を開く。
「お父様に…認めてもらえなければ…
私は正臣様から離れるべきではないかと、考えてました…。」
自白した途端、また涙がポロポロ出て来てしまう。
「涙が出ると言う事は…離れたく無いと思ってくれているのだな。
良かった…。
あの人の事は心配するな。
俺が何とかするから、大丈夫だ。」
力強くそう言われて、こくんと頷くしか無い。
「だてに、長く親子をしている訳じゃ無い。
捻くれてて分かり辛い面倒な人なんだ。
俺もそうだがな。
捻くれ者同士分かり合える事もある。」
そう言って笑う正臣様はにこやかに見えるから、既に打開策はあるようだ。



