翌朝、
人の話し声で目が覚める。
いつもより寝過ごしてしまったか⁉︎
慌て飛び起き時計を見ると6時半で、
日頃から身に付いた習慣は凄いなと感心しながら、布団から這い出る。
香世はもう起きたのだろうか?
昨夜の煩悩の手前、襖を開けるにも憚られる。
そう思うだけで疼く身体を持て余しながら
顔を洗うべく一階に降り洗面所に向かう。
汲みたての冷たい井戸水で顔を洗っていると、朝から香世が眩しい笑顔を見せて駆け寄ってくる。
「正臣様、おはようございます。
よく寝られましたか?頭は痛くありませんか?」
心配そうに俺を見上げる視線を感じながら
どうしても目を合わせる事が出来ず、
「おはよう。」
とぶっきらぼうに持って来てくれた手ぬぐいを奪う。
「松下は?」
顔を拭きながら香世に問う。
「先程起きられたみたいで、
頭が痛いからとお風呂に入っております。」
「自業自得だな。」
「正臣様は?大丈夫ですか?」
心配そうに俺を見て来る香世の、
餅のように柔らかく白い頬を指でひと撫でする。
「俺は大丈夫だ。」
表向き冷静さを保ちながら、
この綺麗な桃色の唇に今すぐ口付けするのは許されるかと、人知れず煩悩と戦う。
親指でそっと唇に触れると
香世がビクッと身体を震わすから
どうしようも無く愛しさが込み上げて、
両手で頬を押さえ込んでしまう。
「正臣、おはよう!」
突然背後で声がして、
パッと香世から離れ背で隠すように振り返る。
そこには風呂から出たばかりの松下がいて
朝から爽やかに笑いかけてくる。
「おはよう…朝から無駄にうるさいな。」
呆れ顔でそう言って、松下の方へ足を運ぶ。
「お前、二日酔いじゃないか?」
「酒には強いからな。
今から竹刀の稽古を付けてやるから目を覚ませ。」
半ば強引に竹刀を握らせ庭先で朝の日課である鍛錬をする。
「はぁー、朝から無駄に元気なのはお前の方だろ。」
そう言いながらも揃って竹刀を振る。
「朝食の支度をして来ます。」
笑いながら香世は台所へと行ってしまう。
コイツが邪魔しなきゃ、口付けくらい出来たのにと思う雑念を振り払うように俺はひたすら竹刀を振るう。
人の話し声で目が覚める。
いつもより寝過ごしてしまったか⁉︎
慌て飛び起き時計を見ると6時半で、
日頃から身に付いた習慣は凄いなと感心しながら、布団から這い出る。
香世はもう起きたのだろうか?
昨夜の煩悩の手前、襖を開けるにも憚られる。
そう思うだけで疼く身体を持て余しながら
顔を洗うべく一階に降り洗面所に向かう。
汲みたての冷たい井戸水で顔を洗っていると、朝から香世が眩しい笑顔を見せて駆け寄ってくる。
「正臣様、おはようございます。
よく寝られましたか?頭は痛くありませんか?」
心配そうに俺を見上げる視線を感じながら
どうしても目を合わせる事が出来ず、
「おはよう。」
とぶっきらぼうに持って来てくれた手ぬぐいを奪う。
「松下は?」
顔を拭きながら香世に問う。
「先程起きられたみたいで、
頭が痛いからとお風呂に入っております。」
「自業自得だな。」
「正臣様は?大丈夫ですか?」
心配そうに俺を見て来る香世の、
餅のように柔らかく白い頬を指でひと撫でする。
「俺は大丈夫だ。」
表向き冷静さを保ちながら、
この綺麗な桃色の唇に今すぐ口付けするのは許されるかと、人知れず煩悩と戦う。
親指でそっと唇に触れると
香世がビクッと身体を震わすから
どうしようも無く愛しさが込み上げて、
両手で頬を押さえ込んでしまう。
「正臣、おはよう!」
突然背後で声がして、
パッと香世から離れ背で隠すように振り返る。
そこには風呂から出たばかりの松下がいて
朝から爽やかに笑いかけてくる。
「おはよう…朝から無駄にうるさいな。」
呆れ顔でそう言って、松下の方へ足を運ぶ。
「お前、二日酔いじゃないか?」
「酒には強いからな。
今から竹刀の稽古を付けてやるから目を覚ませ。」
半ば強引に竹刀を握らせ庭先で朝の日課である鍛錬をする。
「はぁー、朝から無駄に元気なのはお前の方だろ。」
そう言いながらも揃って竹刀を振る。
「朝食の支度をして来ます。」
笑いながら香世は台所へと行ってしまう。
コイツが邪魔しなきゃ、口付けくらい出来たのにと思う雑念を振り払うように俺はひたすら竹刀を振るう。



