冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す

しばらく酔っ払いの相手をして
ほろ酔いを通り過ぎて松下は寝てしまった。

仕方が無いからそこで寝転がしておく事にする。

後片付けをと台所へ洗い物を運んでいると
香世が音で気づいたのか、パタパタと二階から降りて来る。

「あっ、ありがとうございます。
後片付けは私がやりますから、
大丈夫そうならお風呂に入って下さい。」

「香世は、風呂に入ったのか?」

「後で頂きます、お先にどうぞ。」

「ありがとう。
香世、今夜は俺の部屋で寝ろ。
松下が下で寝てるからいささか心配だ。」

「えっ⁉︎」
目を丸くして驚く香世に、

「松下が夜這いに来たらどうする。
俺の部屋で寝た方が安心だ。後で布団を運ぶから待ってろ。」

「は、はい…。」
有無を言わせない感じで少し強引に話し
風呂へ向かう。

この時の俺は少し酒に酔っていたのか…
よく分からないが深く考えずに香世を部屋に誘っていた。