原爆ドームや平和祈念館のような場所に行くと、なんとも形容しがたい気持ちになる。



今私が生きている日本とは、あまりにも違いすぎて。



だからこそ、忘れてはいけない。



この日本があるのは、あの時代を生きた人たちのおかげ。



そして…死んでいった人たちのおかげなのだ。



この国が背負っている歴史は、なんて重いのだろう…―



そんなことをしばらく考え込んでいた。



やがて、



「大丈夫?」



と言う彼の声で我に返る。



「うん、大丈夫」



「じゃあそろそろ、もうひとつの目的を果たしに行こうか」



「うん」



彼が車のエンジンをかけた。



行こう、神の島へ!