去年の秋に、彼と一緒に訪れた沖縄の「神の島」で、私はこんなことを思った。



雄大な自然と共存し、そこに神を見つけ、崇める精神こそが人間の本来の姿なのだ、と。



神様なんとかして、と思った瞬間、急にそのことが思い出された。



だけど私は今、目の前に神を見つけることができない。



こんなときこそ、その存在を感じさせてほしいのに。



自然を破壊し、共存することを忘れた現代の私たちの前からは姿を消してしまったの?



それとも、何かほかに理由があるの?



神様、あなたに守ってもらえない理由が、何かあるの?



私も彼も、こんな仕打ちを受けるようなこと何ひとつしていないはず。



私たちはただ、人並みに幸せに暮らせれば、それでよかった。



なのに、どうしてこんなことに…。



―…ふいに涙がこみ上げてきて、鼻の奥がツンとした。



両手を、ジーンズの膝の上で、ぎゅっと握り締める。



それから、リュウくんに気づかれないように、そっと深呼吸をした。