部屋に戻ると、リュウくんはプリンの空容器をベッドサイドのテーブルに置いたまま眠っていた。



私とお義母さんは、起こさないように静かに丸椅子に座った。



リュウくんは、もう頭の包帯も取れて、見た目にはどこが悪くて入院しているのかわからない。



寝顔だけ見ていると、何事もなかったようだ。



今起こしたら、寝ぼけた声で「ミオ」って呼んでくれそうな気さえした。



「こうして見てる分には、普通なのにねぇ」



ポツッとお義母さんが言った。



「私も今、ちょうど同じことを考えてました」



お互いに目を合わせて、そっと笑う。



私はそのとき、お義母さんの顔を見て、疲れているなぁ、と思った。



気丈に振舞っているけれど、事故の日の夜に比べて顔色も良くない。



私なんかよりもずっと長い間、彼と過ごしてきたお義母さんの気持ちを思うと、胸が締め付けられるような感じがした。



私がしっかりしなくちゃ、と改めて思った。



それから私たちは、何を話すでもなく、ただ椅子に座って時間が過ぎるのを待った。



まるで、そうしていれば、時が解決してくれるとでもいうかのように。