病院の喫茶店は、休憩中の医師もパジャマ姿の入院患者も入り混じっていて、なんだか不思議な光景だ。



私たちは隅のほうの席に座り、お義母さんはモーニングセットを、私は紅茶を注文した。



「今日、仕事帰りにリュウくんの同僚の方たちがお見舞いに来てくださるそうです」



昨日の電話の件を話すと、お義母さんは驚いた様子を見せたあと、すぐに、



「そう、受け入れてくれるといいわねぇ」



と、遠くを見るような目で言った。



お義母さんは、身内の中で誰よりも落ち着いているように見えたけれど、やはり内心ではそうではなかったのだ。



お義母さん自身も受け入れがたいと思っていて、だから同僚たちが、この現実を「受け入れてくれる」かどうか心配なのだ。



「大丈夫ですよ、今どきの人って、物語みたいな現実離れしたことにだって簡単に慣れちゃうんですから」



お義母さんをこれ以上不安にさせたくなくて強がりを言ってみたけれど、本当は私も、同じように不安だった。



そんな私の気持ちをわかっているかのように、お義母さんは、



「そうね」



と、力なく笑うだけだった。



でも、このときの私の発言は、意外にも的を射たものだったことを、私たちはあと数時間後に知ることになる。