「嘘だよ。だって俺、その声で呼ばれたら絶対起きるはずだもん」



起きる…って…。



「ごめんな、俺、最近ずっと変だったでしょ」



「…覚えてるの?」



「いや、正直、なにがなんだか…」



彼が、鼻をぽりぽり掻いた。



「ボーッとしてたっていうか、懐かしい夢を見てたような気がする。子供の頃の」



子供の頃の、夢…。



「でもさっき、『リュウくん、戻ってきて』って声が聞こえてさ。そのとき、俺なに寝てんだろって思ったんだ」



それって…。



「私が呼んだからってこと…?」



彼が、やさしく微笑んだ。



「そうだよ」



それを聞いて、私は全身の力が抜けて、その場にへたりこんでしまった。