ふたりは笑っているけれど、私は気が気ではなかった。



リュウくんにしてみれば、身に覚えのないことで突然私に怒られて、驚いたと思う。



今も、もしかしたらいじけてしまって駄々をこねているのかもしれない。



北岡さんたちに迷惑をかけないうちにきちんと謝らなくちゃと、腰を浮かせかけたとき、リュウくんが動いた。



北岡さんとヒロさんに何か言い、それからふたりに軽く右手をあげて、こちらを向いた。



珊瑚の砂浜を、ザクザク音を立てながら歩いてくる。



「え、なんか今、仕種が…」



木下さんが、続きの言葉を飲み込んだ。



私も、そう思った。



ほんの一瞬だけれど、右手をあげた仕種が、子供のそれとは思えなかった。



でも、まさか。



だってどうして今なの。



さっきは全然だったのに…―



まだ遠くて表情はよく見えないけれど、リュウくんの足取りが軽い。







次の瞬間。



私たちの希望は現実のものとなった。