私は、顔を覆って泣いた。



ヒックヒックと震える肩に、誰かの手が乗せられた。



見なくてもわかる。



リュウくんの手。



「…大丈夫…?」



心配そうなリュウくんの声が聞こえた。



でも、こんなのはリュウくんの声じゃない。



心配されたって、うれしくない。



怒りにも似た感情がわいて、私は手を振り払った。



その勢いで、しゃがんでいたリュウくんが尻もちをついた。



「…っ、もうやだっ!なんで!?なんで思い出せないの!?」



こんなこと、絶対に言いたくなかった。



言おうなんて、考えもしなかった。



リュウくんが戸惑いを隠せない顔で、私を見ている。



その目がおびえているようにも見えて、それが余計に悲しくて、私は顔をぐしゃぐしゃにして泣いた。