そのグラスを手に持って見ていると、リュウくんが、



「ミオちゃん、それ、緑もあるよ」



と、同じ形の色違いを手に取った。



青も緑も、色を主張しすぎていなくて、そのさりげなさが本当に美しい。



私が見とれていると、リュウくんがふいに、



「それ、買ってあげる」



と言った。



「僕のおこづかいでさ、買ってあげるよ」



ちょっと胸をはって、自慢げだ。



「え、でも…」



休職中の8歳児に買ってもらうなんて…。



「家でおそろいで使おう!」



「おそろい…」



私は、それを聞いた途端にうれしくなった。



「じゃあ、私はソーダ色で、リュウくんは入浴剤色ね」



からかい半分でそう言うと、リュウくんは、



「なにそれー」



と言って、けらけら笑った。