彼らが家に来ると、いつもこんな感じでまったりと過ごす。



その時間は平和で幸せであると同時に、リュウくんにとって、貴重で意味のあるものだと思う。



事故後初めて対面した日にリュウくんが築いた壁は、友情パワーでいとも簡単に叩き壊された。



この勢いで記憶が戻ってくれたらいいのに、としみじみ思った。







「ところでさ」



紅茶をすすりながら、ますます空気が和んだ頃、ふいにニコさんが言った。



「リュウの具合、どう」



お決まりの質問。



「見てのとおり、相変わらずですよ」



私も、お決まりの回答を苦笑まじりに返すしかなかった。



「全然ないの、兆しとか」



兆し、ねぇ。