「すいません、私服だったのでわからなくて」



「いえいえ」



あのときにお世話になったお巡りさんは、ポリポリと頭をかいて笑った。



そしてすぐに真顔になって私を見た。



「どうですか、ご主人の具合は」



口調から、良い答えを期待していないということがわかる。



きっと病院側から経過を聞いているのだろう。



私は、リュウくんのほうをチラリと見て、



「とくに変わりないままです」



と答えた。



リュウくんは、窓際に置かれた椅子に座って、窓の外を眺めている。



安西さんが来たとたん、コレだもの。



人見知りもここまでくると、困ったものだ。