「……ッ!うぅ〜……ああッ……!」

手紙を読み終わった桜士の横で、嗚咽が聞こえる。隣を見れば、一花が手紙を抱き締めて泣いていた。一花の大泣きしている姿を見るのは初めてで、桜士は抱き締めることしかできない。

桜士の腕の中で、一花は頼りなく幼い子どものように泣いていた。涙が桜士の着ているスクラブを濡らしていく。だが、桜士は気にすることなく一花をさらに強く抱き締めた。

「たくさん泣いてください。泣いてもいいんです。大切な仲間を失ったんですから……。気が済むまで泣いてください」

桜士の瞳にも涙が浮かぶ。桜士たちの心をまるで映したかのように、いつの間にか雨が降り始め、街を濡らしていった。