笑顔になった一花が病院へ電話をかけ、受け入れてもらえるかどうかを聞いて回る。そして、紅子に言った。
「榎本総合病院がお二人を受け入れてくれるそうです」
「うちの病院じゃないですか!」
桜士が驚いた声を上げると、モニカが顎に手を当てながら微笑む。
「お前とMr.本田の働いている病院か……。なら、安心して二人を任せられるな」
温かな空気がこの場に流れていた。だがそれは、一本の電話でかき消されてしまう。一花の元に、誰かから電話がかかってきた。
「あら、ヨハンからだわ」
榎本総合病院で勤務中のはずのヨハンから、電話がかかってきた。一花が不思議そうに電話に出る中、桜士はどこか嫌な予感を覚えていた。話を聞いていた一花の顔が、少しずつ曇っていく。
電話を切った後、一花は今にも泣き出してしまいそうな表情で桜士に言った。
「本田先生、折原先生が……!」
それは、病院を寿退社した元産婦人科医・折原藍(おりはらあい)の脳死を告げるものだった。
「榎本総合病院がお二人を受け入れてくれるそうです」
「うちの病院じゃないですか!」
桜士が驚いた声を上げると、モニカが顎に手を当てながら微笑む。
「お前とMr.本田の働いている病院か……。なら、安心して二人を任せられるな」
温かな空気がこの場に流れていた。だがそれは、一本の電話でかき消されてしまう。一花の元に、誰かから電話がかかってきた。
「あら、ヨハンからだわ」
榎本総合病院で勤務中のはずのヨハンから、電話がかかってきた。一花が不思議そうに電話に出る中、桜士はどこか嫌な予感を覚えていた。話を聞いていた一花の顔が、少しずつ曇っていく。
電話を切った後、一花は今にも泣き出してしまいそうな表情で桜士に言った。
「本田先生、折原先生が……!」
それは、病院を寿退社した元産婦人科医・折原藍(おりはらあい)の脳死を告げるものだった。


