Cherry Blossoms〜いのちのかたち〜

警察官の警告が何度も聞こえてくる。ヴェノム、クラーレ、そしてベラドンナは肩を震わせていた。それが恐怖からくるものではないということは、顔を見れば一瞬でわかる。

「あの時、スマホをいじって通報しやがって！もういい……！捕まる前に、全員殺してやる！」

ヴェノムがそう言い、優先席に座っていた妊婦の腕を強引に掴んで立たせる。妊婦は顔を真っ青にして震えながらも、お腹にはしっかり手を回していた。それを見て、桜士と一花、そしてモニカは叫ぶ。

「その人のお腹には、子どもがいる！！やめなさい！！」

「子ども？なら、こうしてやるよ！！」

ヴェノムはそう笑って言った後、自身の長めの足を思い切り妊婦のお腹に当て、蹴り上げた。妊婦は悲鳴を上げながらバスの床に倒れる。もう、三人は我慢はしなかった。

「テメェ……！」

桜士はヴェノムの腕を素早く掴み、手刀を手に当ててナイフを落とす。そして締め技を背後からかけて気絶させた。