=雑食系集う⑤=




『では…、まずもってそもそも論から行きます。中学の社会科というのは、人間が幸せに暮らせるパブリックモデルを探求する授業だと思ってるんです。そこで皆さんに問います。毎日を幸せに送りたい人~!』


”はーい!”


結果は無論、全員だった


『はい。人が幸せに暮らせるには、それなりのいい社会であることが不可欠です。違いますか?』


「違いませーん」


『当然ですよね。…そこでですよ、皆さんが思い描くよりよい社会を実現する為には、社会ルールを定める法律が必要ですね。その法律を作るのは誰ですかー?』


”政治家でーす”


***


『…はい。厳密に言うと法律を作るのは、各行政庁の議員で構成される議会です。そこでの多数決によって法律は定められます。それでは、その議員はどうやって決まるのでしょうかー?』


”選挙で選ばれまーす”


『その通りです。この国の人々は皆、一定の年齢に達すれば、誰を議員に選ぶかの選挙権を持ちます。まだ中学生の皆さんは、選挙権を有していません。でも仮に今、選挙権を得たとして、どの議員がどんな社会を作ろうとしてるのかわかりますか?』


”わかりませーん”


『はい。それでは、自分が望む社会を作ってくれると思ってる人に投票できない恐れがありますね』


多くはなるほどという顔つきをしている…


『…ですから、今から少しずつでも、人々が幸せに暮らせる社会を実現させていく為にはどうしたらいいのか、それを勉強していきましょう。まず、幅広い知識が必要です。でも社会科は、”その先”が本当の授業なのです』


「…」(全員)