フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー

=マッキの本気⑩=




その場の皆は、デスオの話に首をフンフンと縦に振りながら、かじりつくように聞いていた


「…その女子部員には、りゅーじんが正直に情報の出元、つまり横上病院だと伝えた上で、誠和東中に持ち込んだテニス部3年は誰だかもう知っていると告げるんです」


「ほう…、なるほどな。それで?」


コンボイのせっつきは、すでに合いの手になっていた


***


「で…、これからその3年女子と会って、校内へ流布したことを確かめると…。でも、人違いだとまずいので、あらかじめ確認しておきたいからと。その際、3年の先輩にはあくまで病院経由で親から知り得たことなので、後輩から聞いたとは決して言わないと確約するんです」


「そうか!…なら、彼女もりゅーじんには話すかもね。でも、責任の所在は自分にってことなら、やっぱり貝の口になっちゃうかも。…なんか、彼女、何も校内に広めようとしたわけじゃなくて、2、3人にそれとなく話しただけらしいのよ」


「そう言えば、クズコを覗きに来てるの3年ばかりだったんでしょ?」


ここでマッキは、ナツメロから聞いた目撃談をみんなに伝えるべきだと判断した


***



「うん。だから、その3年が他にもあっちこっちにベラベラってことはあるんじゃないかな…」


「では、その辺を織り込んだ上で、2年女子へ接するのは、りゅーじんに一任したらどうですかね。お母さんの口からってことで、あえて仲間を思って行動を起こそうとしてるんですから。モアベターな解決を図ってくれますよ、りゅーじんなら」


「うむ。デスオの言ってること、納得だ。どうだ、ナツメロ。それで…、その2B女子へのつなぎ?」


「そうね…、わかったわ。りゅーじんならうまくやってくれると思うから…」


ここでラッセルの問いかけにナツメロが応じた


「じゃあ、頼むな。他のみんなも、りゅーじんに任せるってことで、いいな?」


ラッセルが皆に”呼びかけた”…