=仲間ということ①=




末樹は決して”朝”、強い方ではなかった


それは子供のころから…


ところが…


***



翌日の朝…


ここめったにないほど、末樹はなんともいい目覚め心地を感じていた


”寒い!でも心地よい…。なんでだろうか…”


***


「あら…、今朝はずいぶんとおいしそうに味噌汁飲むわね、末樹?」


「そう?本人的には、いつも通りなんだけど」


「じゃあ、お母さんの気のせいかしらね」


母の直美は意味ありげにやや笑みを浮かべながら、娘の正面でお茶をすすっている


そう…、この母親は”気のせい”でないことを百も承知であったのだから…



***



「よう…、折原、おはよう!」


一時限目を待つ間…


教室前のローカにあるロッカー前で、横上流二が声をかけてきた


「ああ、横上君…、おはよう!あの…、昨日はどうも。いろいろと…」


「こっちもな」


「でもさ、よく3人説得してくれたよね。野々島君はともかく、他の二人…。よかったら、どんな切り口で当たったのか教えてくれない?」


マッキはわりとぶしつけな?この問いかけが口から出た


それは、予想外に即、あっさりと


「…いや、別にデスオも他の二人も同じさ。なんで?」


「あっ…、あのさ、私、重戦車コンビとは1年から一緒でしょ?その関係でウチのお母さんなんか、凄い凶暴な不良みたいねって…。そんなイメージ持ってるから。…昨日もね、”へー、すごいねー、横上君って子は…”って話になって…」


「おいおい…、お前んとこ、母親に学校でのコト筒抜けでしゃべってるのか、いつも?」


「うーん、筒抜けとまでは…。でも、大体は話してるけど…」


”ありゃりゃ…。気、悪くしたかな。りゅーじん…”


朝から爽快な気分に浸っていた末樹の心は、やや雲りかけていた