甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

「だって他人事だもん。」

 おのれ空音……っ。

 私の悲痛な叫びを一刀両断した彼女は私の友達、空音。

 小学校の時からの付き合いで、気心が知れた仲……なんだけど。

「ちょっとは親身になってくれたっていいじゃん! こっちはあんなプレイボーイと一緒にされて嫌なの!」

「あはは、まぁまぁ……ね? 杏ちゃんの気持ちは分かるよ?」

「分かるんだったらもっと優しくなって!」

「杏ちゃんったら……。」

 優しくなんてどうすれば、とでも言いたげな空音に拗ねた視線を送る。

 空音は基本優しいけど、こういう時だけは軽いっていうかなんていうか……。

 そんな空音だから付き合いやすいってのもあるし、楽しいんだけど……それとこれとは話が違う。

「ねぇみーはるっ! 今度あたしと遊んでよ? 楽しい場所いっぱい知ってるよっ?」

「んー、どうしよっかなぁ?」

「焦らさないでってばぁ!」

「あっ、あたしだって望遙と遊びたいのにっ!」

 ……ほら、あーいう人だから嫌いなの!

 少し離れたところでちょっと派手な女子とつるんでいる乾に、苛立ちばかりが募る。