先生、またですか……。

 なんて言えるわけもなく、学級委員が道具の片付けをする事になった。

 ちょっとだけ面倒かも……と思いながらも、着々とボールなどを片付ける。

 あ、そうだテープも片付けておかなきゃ。

 観戦席用のテープが一番近くにあった為、戸棚に片付けようとする。

 ……でもやはり、背が低く届かない。

 うーん、空音よりは身長高いはずなんだけどな……。

 少し背伸びすれば届くかも、なんて希望を抱いてつま先を上げる。

 倉庫だから狭く、身動きも取りにくい。

 そして、いろんなものがある。

 ぐっと背伸びをして、後ちょっとで届くというところで。

「っ、わっ……!」

 近くにあったコーンと足がぶつかってしまい、体制を崩してしまったのだ。

 足もプルプルしていたから、そのせいもあると思う。

 すぐには立て直しが利かず、そのまま体が傾く。

 痛いかも、と覚悟を決める。

 ……だけど、いつまで経っても痛みは来なかった。

 え……?

 むしろ、誰かに抱きしめられているような……温かい体温が伝わってくる。