甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 まっすぐで真摯な言葉を言う乾に、疑心が生まれる。

 ……警戒、しておこう。

 気を許すな、私。こいつはプレイボーイだ。

 目の前の男のイメージを変えないように、私はずっとそう思い込もうと思った。



 ……そして、あれよあれよと進んでしまった交流会。

 当日になり、私は面倒だと思ってしまっていた。

 あの後みんなで案を出し合い、結果的にドッジボール大会なるものをする事に決定した。

 私、体育あんまり好きじゃないんだよね……。

 嫌いなわけじゃない、苦手ってわけでもない。

 ただ単に、したくないだけ。

 ……運動したら、たまに死にかけるし。

 私は元々、体が丈夫なほうではない。

 未熟児で生まれたから、体育はきついものはできないのだ。

 ドッジボールも結構動き回るから、長時間は参加できないし。運動神経は良いほうだけど。

 先生もそれは理解してくれているから、私は二試合くらい参加して休憩する事になっていた。

「よーっしお前ら! それじゃドッジボール大会始めるぞー!」

 学年主任の先生の声が体育館中に響き渡り、みんな一斉にやる気が増す。