甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 いや、正直なのは良い事なんだけど……。

 ここまでそうはっきり言われると、困るんですが……。

「とまぁ、こんな感じで希望は聞いたんだがしたくないらしい。そこで、有栖沢にお願いしたいんだ! どうか、この通り!」

「ちょっ……! 先生が生徒に頭下げちゃダメですよ……!」

 先生もこのクラスに感化されてしまったのか、まだ初日だというのに。

「うわー、有栖宮さんやばいね。先生にここまでさせるとか。」

「……さっきから喋ってないけどさ、乾はどうなの! こんな半強制的に決められて……」

「俺は全然いいけど。」

「……え。」

 いい、の……?

 チャラ男でプレイボーイだからてっきり、「遊ぶ時間が減るから無理。」とか言うと思ってたのに……!

 というかそっちのほうが私も拒否しやすいのにっ……。

「乾……! 流石分かってるじゃないか!」

「まぁ、困ってる人を助けるの大事ですからね。」

 どの口が言っているんだ、本当に……。

 こうやってさらっと綺麗事を言えてしまうのが、プレイボーイなんだろうけど……。