甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

「えー、そうかなー?」

 上辺はヘラヘラしてるけど、内心は心臓バクバクだった。

 もしかしたら一緒のクラスになれるかもとは思ってたけど、こんな奇跡が起こるなんて思わないって……。

 それに、これならいくら有栖沢さんに話しかけても怪しまれない。

 有栖沢さんは俺を嫌っているオーラが凄いけど、その事はゆっくり解決していけばいい。

「ということで、学級委員長は乾で、副委員長が有栖宮な。」

 ……そして、こんな好機もあるんだから。

「先生っ! 私なるって一言もっ……!」

 有栖沢さんはぼーっとしてたから、こんなに話が進んでいると思ってなかったらしく全力で拒否しているけど。

 俺的には、こんなチャンスを無駄にするわけにはいかなかった。

「俺も委員長とかやってみたかったし、この機会はチャンスだと思ってちょっと楽しみだからさ。」

 そう、チャンスだから。

 絶対、有栖沢さんの信用を掴んでみせる。

 そしてあわよくば、俺に愛されてほしい。

 こんなに一人の子に執着するなんて、自分でも思ってなかったから。