乾は紛れもなくプレイボーイだという事、そんなプレイボーイにファーストキスを奪われてしまった事。

 もう全てが苛立って仕方なかった。

 泣きたくなるけど、ここは学校だから早々には泣けない。

「……乾君、ね。」

 めちゃくちゃに空音に縋りつく私を、空音は何かを確信したような表情を浮かべていた。