甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 ……大丈夫、だろう。



「……は?」

「ということで、学級委員長は乾で、副委員長が有栖沢な。」

 な、何でっ……!?

 今は委員会や係決めの時間で、何故か私は学級副委員長になってしまった。

 ど、どうしてこうなったっ……!

「先生っ! 私なるって一言もっ……!」

「いや、それがさ……有栖沢には悪いと思っているが、先生同士で有栖沢が凄いしっかりしてるって話題になってんだよ。だからそれに懸けて、有栖沢にお願いしたくて……!」

「そ、それ困りますっ……!」

 何より、何で乾となんかっ……。

 せっかく関わらないでおこうって決めたばっかりなのに、どうしてこんな事に。

 先生に大きな声で抗議するも、「お願いだ!」と言わんばかりに懇願してきている。

「だ、第一他の人は委員長とかやりたくな――」

「「「やりたくない!!!」」」

 ……そんなハモらなくても、よくない?

 やりたくないの?って聞こうとしただけなのに、そんなに声揃えなくても良いじゃん……。

 どれだけみんなしたくないの……ノリ自体は良いのに、面倒事だけは徹底的に避ける。