甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 ……それでも簡単には信用できないけど!

 まぁ、重たかったのは事実だけど……。

 でも乾に任せて、仕事大丈夫なのか。

 最初こそは押し付けるって決めてたけど、心配になってきた……。

「ありがと、それじゃ段ボールはそこの棚に置いといて。」

「りょーかい。」

 いつの間にか着いていた倉庫の鍵を開けて、乾に指示する。

 よっと、と言いながら乾は無駄に高い身長で段ボールを置いてくれた。

「これでいいの?」

「うん。……あ、そうだ。」

 そういえば、先生に「画鋲も取ってきといてくれないか!」って言われてたなぁ……。

 画鋲、画鋲……どこだろう。

 電気をつけてても薄暗いから、見通しも悪い。

「有栖沢さん、何探してんの?」

「いや、先生に画鋲持ってきてって頼まれててさ……でもどこにあるのか分かんなくて。」

 先生曰くこの倉庫にはあるはず、なんだけど……。

 きょろきょろと見渡すも、どこにもそれっぽいのは見つからない。

 ……どうするか。

 先生になかったですって正直に言う? それとも意地でも探し出す?

 いっその事、先生を連れてきて一緒に探すのは……。

「あっ、有栖沢さんこれじゃない?」