甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

「そ~ら~ね~っ! 空音だけは、空音だけで良いから私の味方でいて……!」

「人の恋は気になるの!」

 それが友達に取る態度ですかっ……。

 空音だけは私の気持ちを分かってくれると思ったのに、何故……ううっ。

「あはは~……有栖沢さんも大変だね。」

「本当にそれ……っていうか、小野さんがそれ言い始めたんじゃん!」

「あ、バレた?」

「バレるどころか自白じゃん! 隠す気ないというか、そもそも言い出したのは小野さんで……!」

「ごめんね~。あたしも気になってたもんでね~。」

 小野さんに何とか話を通してもらおうとするも、全く聞かない。

 私の味方はいないのか……。

 けれどこれ以上駄々をこねてももうダメだと悟ってしまい、私は大人しく黙っておく事にした。



 ……よし、何とか終わった。

 乾の好きな人疑惑が出てからあっという間に数日が経ち、今日やっとオリエンテーションが終わった。

 大きなトラブルもなく、滞りなくオリエンテーションが終わった事にほっとしながら、細かい道具の片付けをする。