甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 私は最後にそれだけ言って、さっさと荷物を取りに教室へ戻った。

 もしかして本当に、あいつは制限してるの……?

 あの真剣そうな、初めて見る乾の目。嘘を吐いているようには、見えなかった。

 ……って、何考えてんの!

 乾はいろんな女子をたぶらかすプレイボーイ。それ以上でもそれ以下でもない。

 私には、関係のない事で嫌いな事。

 なのに何で。

『俺頑張ってんだから。』

 頑張ってるなんて、言ったんだろう。



「え? 乾のこと?」

「うん、教えてほしいんだ。あいつ、本当にプレイボーイ控えてるのか。」

 その翌日、私はクラスの女子数人に尋ねてみる事にした。

 昨日の乾の言葉がずっと引っかかってたから、だったらはっきりさせようと思って。

 だけど私にキラキラすぎる陽キャ女子に話しかける勇気はなく、そんな人たちを除いた女子に聞こうと思ったんだ。

 私が単刀直入に尋ねると、女子たちは顔を見合わせた。

 まるで、その事について互いに確認を取っているように。

 ……どう、なんだろう。