甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 バリバリピアス開けてるし、物腰が軽い。

 何でこんなチャラチャラした奴がモテるのやら……。

 乾に群がる女子は大抵、乾の見た目で寄っている。

 ただイケメンと遊びたいという魂胆を隠すまでもなく、分かってしまう。

 陽キャの考えは分かるもんじゃないよなぁ……なんて、つくづく思う。

 自分が陽キャじゃないからだとは分かってるけどさぁ……。

「で、理由何なの?」

「まだ諦めてなかったんだ。」

「当たり前。知るまで聞くつもりだけど、俺は。」

 面倒だ……。

 チャラくて執着気質とか、ヤバい奴じゃん……。

 と思いながらも、言ったところで何が変わるわけじゃないのなら言ってしまおうと考え付いた。

 どうせこれからもこのままだろうし、だったら言いたい事言っちゃうか。

 私に突っかかってくるたびに嫌味は言ってるけど、それだけじゃ足りない。

 ……当然。だってこいつは毎日のようにどこぞの女子と居るから。

 根性を叩き直してやるいい機会かもしれない。

 ふっと口角を上げた私は、乾の顔を見て言いたい事を言ってやった。