甘くて優しい青春恋物語 ~一途な一目惚れは交わしのあとで淡い恋に~

 いやっ、だけど私は信じないぞっ……!

 乾は見た目もチャラくて中身もチャラい。つまり早々に信じないほうが良いんだ。

 うん、私は絶対に信じない!

 例え空音が本当の事を言ってるとしても、こんなすぐ信じれるわけない。

 中学生の時や一年生の時、毎日のように遊んでたらしいから尚更だ。

「あはは……杏ちゃんが信じられない気持ちも分かるよ。でも、副委員長頑張ってね?」

「分かってるよそれくらい……。乾に仕事振らせたら、根性を叩き直せるかもしれないし。」

「……結構野蛮だね、杏ちゃん。」

「そりゃ結構。」

 野蛮なのは昔からだし。これが私だし。

 ……あーあ、空音みたいに女の子らしかったらもっと可愛かったかもしれないのになぁ……私だって。

 無理なのは分かってるけど。昔からこんな感じだし。

 このキャラは全然苦じゃないし、むしろ楽。これが本当のキャラだから。

 ……だからこそ、なんだ。曲がった事とかだらしない事は、大嫌い。

 乾なんか存在自体が嫌い。正直言ったら視界にも入れたくない。