新学期とは、心躍る時期。

 それは私も例外ではないが、それ以上に……。

「俺がこのクラスの担任、高野だ! これから一年よろしくな!」

「「「はーい!!!」」」

 担任が、うるさすぎる……。

 この先生は高野先生と言って、新任の先生だ。

 若いからなのか、新任だというのに人気は凄まじく、やたらテンションが高い。

 こういう先生が、受けがよかったりするんだろうか。

 熱血教師って感じじゃないから、こんなに人気なのか。

 それに、うちのクラスはノリが比較的いい人が多い。

 つまり……この一年は騒がしくなるだろう、と簡単に予測できる。

 はぁ……別に悪い事じゃないから、いいんだけど……。

 無意識にため息を吐いてしまい、新学期早々波乱の予感がする。

 もちろん、クラス全体がこんな状態だからのもあるけども……それ以外に、もう一つ。

「騒がしいね~。でもまさか、隣が有栖沢さんだなんてねー。」

「……それはこっちのセリフ。乾と隣だなんて、最悪……。」

「有栖沢さん、それは酷くなーい?」