「い、いえ……遠慮しておきます……!」




上手な人に教えてもらえるのは正直とてもありがたいんだけど、葛籠(つづら)くんはちょっと!

女子が! 女子のみなさんが怖い!




「私に教えて欲しいな~、葛籠くん♡」


「あたしも! あたしも運動ちょっと苦手だからさ~」


「え~、ずる! っていうかみんなに教えてよ、ね?」




私が断ったことでにこにこになったみなさんは、私と葛籠くんの間に入っておねだりし始める。

物怖じせずにアプローチできるなんて、凄いな……。


ともあれ、今のうちにそぉっとこの場を離れようとしていた私は、葛籠くんの声を聞いてぴたりと硬直してしまった。




「サッカー部もいるし、苦手な人は手分けして教える。西園(にしぞの)サンは、特に」