あぁ、と両手で顔を覆う。
悩みの種というものは、どうしてこうも重なるんだろう。
「では、球技大会の参加種目を決めたいと思います」
「い、一番、一番ハードルが低いものは……」
「ことは全部できないから、適当でいいんじゃない」
運動が苦手な私には地獄の行事、それが球技大会だ。
今年の体育祭はなんとか乗り切ったけど、2学期の関門も無情に来てしまった。
バレーにソフトボール、フットサルにバスケットボール、一番動き回らない私の救いは、残りの卓球……!?
「ソフトボールに参加したい人は手を挙げてください」
「はい」
私の前の席に座っている紗奈は、迷いなく手を挙げる。
正直私は、ソフトと野球の違いが全く分からないくらいスポーツに疎い。
サッカーとフットサルも然り。