アンコール マリアージュ

 (どういう事だ?俺はてっきり、真菜にカミソリを送った人物は、夕べの男だと思っていたのに。まさか、違うのか?)

 だとしたら、一体どうなっているのか。

 (あの新婦が真菜にカミソリを送ったとして、じゃあ夕べ襲いかかってきたあの男は無関係なのか?たまたま別の2つの事件が続いただけ?そんな事あるだろうか…)

 ひたすら考えを巡らせていると、やがて真菜達が立ち上がり、互いにお辞儀をした。

 そしてサロンの出口まで来ると、深々とお辞儀をしてカップルを見送る。

 真はとっさに顔を伏せ、自分のすぐ近くを通り過ぎて行くカップルをそっとうかがう。

 「いやー、良かったよな、亜希。色々希望も聞いてもらえたし、式が楽しみだな」

 明るい声の新郎の横で、やはりうつむいたまま無言の新婦。

 真はさり気なくその身長を目測する。

 (俺の胸辺り。160㎝くらいか)

 帰ったら、管理人にもう一度防犯カメラの映像を見せてもらおう。

 ポストの位置と比べて、大体の身長が分かるはずだ。

 そう思っていると、真さん!と真菜の声がした。

 制服のスーツの上にカーディガンを羽織り、鞄を肩にかけて駆け寄って来る。