アンコール マリアージュ

 「それでは続いて、指輪の交換を行います」

 (ひー!泣いてる場合じゃない!)

 真菜は、急いでバージンロードの後ろまで行くと、すぐ横の席に座っていた琴美を手招きする。

 「リングガールを務めてくれるのは、新婦のお兄様ご夫妻のお子様、琴美ちゃん、4才です。皆様、どうか温かい拍手をお願い致します」

 真菜は、そっと琴美を促す。

 「さあ、琴美ちゃん。笑顔でこの指輪をお兄さんとお姉さんに届けてね!」
 「うん!」

 琴美は頷くと、にこにこと周囲に笑顔を振りまきながらバージンロードを歩いて行く。

 「可愛いわねー」
 「まあ、小さなお姫様みたい」

 パシャパシャと写真も撮られ、琴美は得意げに、無事にリングピローをお二人に渡した。

 「琴ちゃん、ありがとう!」

 新婦に頭をなでられた琴美は、くるりと向きを変え、ドレスを摘んでぴょこんと皆にお辞儀をしてから、母親の隣の席に戻る。

 「あらあら、素敵なプリンセスね」

 可愛い琴美の仕草に、皆はまた笑顔になった。

 真菜は、素早くリングピローのリボンをほどいて牧師に渡すと、新婦からブーケと手袋を受け取って下手に下がった。