「今日は、すごく楽しかった!」

美晴の声には、嘘がない。

「ああ」

本当に楽しんでいるんだってことがわかる。

隣、手を繋いで見た景色は同じ。

夜の街が、俺らの影を映す。

並んで見た景色は、虚しさで、でもそれでも美しかった。

今は、終電後の電車ホーム。

二人で座って、夜を見ていた。

ずっと、ここにいたい。明日のことなんて考えたくない。

そう思ってしまった。