パパも私も疲れてぐったりとしていた。 まだ充分に電車はある時間だったが、二人で歩いて広い通りまで出ると、パパが手を上げてタクシーを停めた。 タクシーに乗り込んでしばらくは、お互い黙り込んでいた。 私は心の中で 『パパ、何か言う事があるんじゃないの?』 と毒づいていた。 世間的には不倫なんかしているパパに、非があるのは確かだろう。 私はパパに謝って貰えて当然の身分だと思った。