「そうですか、いやぁ、うらやましい限りですよ」
八米は黄色く変色した汚い歯を除かせて、お菊の井戸を覗き込む。
「なんで井戸って怖いんでしょうねぇ」
首をかしげ、つぶやく八米を無視し、お菊は幽霊タクシーに乗り込んだ。八米は節約のため歩いて帰るのが日常だが、お菊はそんなケチケチした事はしない。それに、帰ってからも何かと忙しいのだ。
幽霊にも相談所という場所があり、怖がらない人間や、逆に怖がり過ぎて気絶してしまう人間の相談をする場所だ。他にも日常でのトラブルなどを解消するために使われている。
お菊はその相談所の相談員の一人なのだ。
タクシーを降りると、幽霊相談所、と書かれた茶色いビルが目の前に現れる。中に入るといくつも部屋が並んでいて、そのドアに相談員の名前が書かれている。相談者はその名前を見て誰に相談をするのか決めるのだ。
お菊は自分の名前が書かれた部屋にはいると、すでに何人かの相談者達が待っていた。原則として相手の顔や身分はこちらもわからないようになっていて、ここでは会話だけをする。
「どんな悩みですか?」
八米は黄色く変色した汚い歯を除かせて、お菊の井戸を覗き込む。
「なんで井戸って怖いんでしょうねぇ」
首をかしげ、つぶやく八米を無視し、お菊は幽霊タクシーに乗り込んだ。八米は節約のため歩いて帰るのが日常だが、お菊はそんなケチケチした事はしない。それに、帰ってからも何かと忙しいのだ。
幽霊にも相談所という場所があり、怖がらない人間や、逆に怖がり過ぎて気絶してしまう人間の相談をする場所だ。他にも日常でのトラブルなどを解消するために使われている。
お菊はその相談所の相談員の一人なのだ。
タクシーを降りると、幽霊相談所、と書かれた茶色いビルが目の前に現れる。中に入るといくつも部屋が並んでいて、そのドアに相談員の名前が書かれている。相談者はその名前を見て誰に相談をするのか決めるのだ。
お菊は自分の名前が書かれた部屋にはいると、すでに何人かの相談者達が待っていた。原則として相手の顔や身分はこちらもわからないようになっていて、ここでは会話だけをする。
「どんな悩みですか?」