外の音なんか聞こえなくて、静かな空間が、うるさかった。

全てを話し終わってからだった。恥ずかしくなったのは。

「あ、えっと、ごめんね。困るよな、こんな
 話されて。…ごめん。」

僕の謝罪なんて気にしないみたいで、メモに文字を書いている。

そっと僕の前に置かれたメモには、かぎかっこつきでこう書かれていた。

『 「苦しかったね、辛い思いをしてきたん
   だね。」』

やっぱり。そういうよな。同情しかしょうがないよな。

でもすぐに付け足された言葉は、僕を驚かせた。

『って、みんなそう言って慰めるんでしょ』

「え?」

同情じゃないと期待している自分がいた。